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十勝エリアのビニールハウス雪対策|強風と広域農地に耐える現実設計

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十勝エリアのビニールハウス雪対策|風害と広域管理への対応

十勝のビニールハウス雪対策は、積雪量ではなく「風荷重」を前提に考える必要があります。

十勝エリアは北海道の中では比較的降雪量が少ない地域です。
しかしビニールハウスの雪対策が不要になるわけではありません。強風による横荷重と吹き溜まりによる偏荷重が構造へ大きく影響します。
十勝平野は南北に広い平坦地です。防風林はあるものの、圃場によっては遮るものが少なく常時風を受けます。

冬季平均風速は5〜7m/s。
寒気が入ると10m/sを超え、瞬間風速20m/s前後になる日もあります。

風速20m/s時の基準風圧は約0.6kN/㎡、重量換算で約60kg/㎡です。
側面120㎡なら約7トン相当の横力が作用します。雪は上から押しますが、風は横から揺らし続けます。
これが十勝の特徴です。

十勝は雪より風がリスク

十勝の雪は比重0.1〜0.2程度の乾雪が中心で、豪雪地帯の湿雪より軽い傾向があります。
ただし強風で吹き溜まりが発生し、風下側の肩部や妻面に雪が寄って局所荷重が増えます。
夜間に凍結すれば比重は0.4〜0.6まで上昇します。

間口6m・奥行30m(180㎡)で200kg/㎡になれば約36トン。
少雪地域でも条件が重なれば危険な荷重になります。

帯広周辺の被害では、風下側アーチ肩部から変形が始まる例が多く見られます。
均等荷重前提の設計では実情と合いません。 構造面では横剛性を優先します。
  • アーチ間隔を50cm以下にする
  • 妻面にX型ブレースを追加する
  • 肩部の母屋パイプを増設する
  • 風下側を重点的に補強する
アーチ間隔を50cmに詰めると曲げ剛性は約20%向上します。
22.2mmでは余裕が小さく、最低25.4mm。常時風を受ける立地では31.8mmを基準に検討します。

広い圃場での管理遅延問題

十勝は畑作・酪農ともに経営規模が大きい地域で、圃場が分散しハウスが複数箇所に設置されるケースも少なくありません。

芽室町の圃場空撮
暴風雪時、全棟を即時確認することは困難です。管理の時間差がリスクになります。
乾雪は軽く見えますが、風で寄り凍結すれば荷重は急増します。
翌朝には想定以上の状態になっていることもあります。

そのため十勝では「壊れにくい前提」で構造を設計することが合理的です。

  • 25.4mm以上、条件により31.8mmを採用する
  • アーチ間隔50cm以下で設計する
  • 横方向ブレースを標準仕様とする
  • 谷部・肩部の補強を事前に入れる
アンカーも重要です。凍結深度は50〜70cm程度。
40cm打ち込みでは強風時に引き抜きが起こる年があります。70cm以上を基本とします。
こうした仕様を前提にすれば、冬期も構造を維持した運用が可能になります。
実際に、強度を確保した上で早期育苗や作期前倒しに取り組む事例もあります。

まとめ|十勝は風対策重視

十勝のビニールハウス雪対策は、積雪量ではなく風荷重を起点に考える必要があります。

  • 25.4mm以上、立地により31.8mmパイプ
  • アーチ間隔50cm以下
  • 妻面ブレース追加
  • 70cm以上のアンカー施工
十勝では強風による横荷重と吹き溜まりによる偏荷重が同時に発生します。
そのため構造設計では横剛性と固定強度を優先する必要があります。
「風から逆算する設計」が十勝のビニールハウス雪対策の基本になります。