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後志エリアのビニールハウス雪対策|山間部特有の豪雪と吹き溜まりに備える実務設計

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後志エリアのビニールハウス雪対策|山間部特有の豪雪への備え

後志は北海道でも特に雪が多く、地形や気候条件が影響して、ビニールハウスの雪対策が特に重要となる地域です。

山間部の豪雪、局地的なドカ雪、吹き溜まりなど、通常の雪対策だけでは対応できません。

ここでは、後志エリアの雪対策について、実際に農業現場で役立つポイントに絞って解説します。
特に後志のような山間部では、雪の量だけではなく積もり方や雪質が大きな影響を与えます。これを考慮した設計が欠かせません。
強風や吹き溜まりによる横荷重も想定し、実際に必要な補強設計をすることが重要です。

後志で起きやすい局地的ドカ雪

後志地方では、冬季に局地的なドカ雪が頻発し、短時間で数十センチ単位の降雪が観測されます。

これにより、ビニールハウスなどの農業施設では、雪がハウスの熱で溶けて落ちた後に固まり、重くなることで排雪作業が非常に困難になります。

特に、雪が氷の塊に変わると、除雪作業が遅れ、ハウス内外の温度管理や作業効率にも悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、効率的な排雪計画が非常に重要です。

具体的な例として、低気圧通過時には小樽で12時間に38cm、余市で36cm、赤井川で30cm超の降雪が観測され、これらは冬型の気圧配置によって発生します。
気象庁のデータによると、3月7日時点で後志地方の各地では、倶知安で90cm、喜茂別で86cm、黒松内で81cmの積雪が記録されています。

こうした集中降雪が局地的に降ることが、雪の堆積を引き起こし、特に農業地帯では雪が急激に積もり、排雪が追いつかない原因となります。

また、溶けた雪が再び凍り、重い氷の塊に変わる現象は、除雪作業をさらに困難にします。雪が固まり、ショベルやスコップでの作業が手間取るため、排雪が遅れがちになり、その影響でハウス内外の温度調整が難しくなるほか、作業効率にも悪影響が出ます。
このような状況では、ドカ雪後の迅速な排雪と再凍結を防ぐための対策が求められます。

吹き溜まりが発生する立地条件

後志地方での吹き溜まりは、風の流れと地形が影響します。

特に強い北西風が山間部や谷間に吹き込むと、湿った雪が一箇所に集まりやすく、吹き溜まりが発生します。倶知安町やニセコ周辺では、このような地形の影響で吹き溜まりができやすくなります。

ビニールハウス周辺では、溶けた雪が地面や通路に積もり、再凍結して固まることで排雪作業が難しくなります。
固まった雪は重くなり、通路が塞がれるため作業効率が低下します。また、雪が固まることで地面が凍結し、温度管理が難しくなり、冷害のリスクが高まります。迅速な排雪が重要です。
後志地方での吹き溜まりに対する具体的な対策としては、以下のような方法が効果的です。
  • 早期の排雪
  • 定期的な除雪
  • 通路確保のための排雪計画
  • 凍結防止対策
  • 雪寄せの位置調整
  • 耐雪強化の設備

傾斜地施工時の注意点

後志や北海道各地でビニールハウスを傾斜地に施工する際には

平坦な圃場とは異なる地形由来の荷重や排水条件に対応することが重要です。

傾斜地では雪や雨水が下側へ流れるため、下側の肩部に荷重が集中したり、排水が滞って地盤が緩む危険があります。
こうした現場の実態を踏まえた注意点を以下に要点としてまとめます。
  • 荷重偏在への対策:雪や雨水が斜面下側に集中するため、下側のフレームに追加の控えパイプを設け、偏荷重を分散させる。
  • 架構の間隔調整:アーチ間隔を狭め、補助柱を設置して荷重を細かく受ける構造にする。
  • 横方向の揺れ止め:地盤の不均一さから横揺れが発生しやすいため、横揺れ止め材を追加設置する。
  • 排水対策:適切な排水計画を立て、排水路やポンプを設置して水分を早めに外へ逃がす。
  • 専門業者への相談:地域実績のある施工業者に現地を見てもらい、斜面勾配や雪荷重に応じた設計を行う。
  • 基礎・フレーム材の選定:地形や用途に応じて角パイプや補強構造を選定し、耐久性を確保する。
これらのポイントを押さえることで、傾斜地でも安全で維持しやすいビニールハウス施工が可能になります。
現場ごとの地形や気象条件を分析し、適切な設計・排水・補強計画を立てることが不可欠です。

果樹ハウスに必要な高さ設計

さくらんぼ果樹
仁木・余市周辺では果樹ハウスが多く見られる

後志の果樹ハウスは余市・仁木周辺に集中しています。さくらんぼ、ぶどう、りんごが中心です。
果樹ハウスは秋に被覆を外すケースが多くあります。
果樹の成長や休眠状態に入る時期に合わせ、加温し続けるのは難しくなり、保温の必要が低くなるため、秋に被膜を外すことが一般的です。
もしも被膜を残すのであれば、棟高が3.0m以上あると雪は滑りやすくなりますが、間口が8mを超える場合、中央部のたわみが増し、雪が滑りにくくなるため注意が必要です。
  • 間口8m以上では、構造の安定性を保つためにパイプ径31.8mm以上を選び、強度を確保する
  • 母屋パイプは3列以上にする
  • 谷部補強を追加する
  • 必要に応じて中央補助柱を入れる

高さだけ上げて剛性を上げないと、雪は落ちずに中央に溜まります。

「高くすれば安心」ではありません。高さと強度は必ずセットです。

まとめ|地形を読むことが最大の雪対策

後志のビニールハウスで雪対策の核心は「地形」です。
  • 局地豪雪を前提にする
  • 吹き溜まりによる偏荷重を想定する
  • 傾斜地では左右非対称設計にする
  • 果樹ハウスは高さと剛性を両立させる
平均値では守れません。
圃場ごとの地形を読み、補強内容を決めます。

後志では「地域平均」ではなく、「その圃場」を基準に設計することが倒壊を防ぐ最も現実的な方法です。

よくある質問(FAQ)

後志ではどの程度の積雪を想定すべきですか?

山間部では150cm以上を想定します。圧密後300kg/m³で計算すると約450kg/m²になります。気象台データより多く積もる前提で設計します。

吹き溜まりはどのくらい危険ですか?

片側30cm差で延長10mあたり約2.7トンの偏荷重になります。均等荷重より肩部が先に変形します。

果樹ハウスで特に注意する点は何ですか?

棟高3.0m以上を確保し、間口8m以上では31.8mm径以上を採用します。長期荷重を前提に補強します。