農業用倉庫の値段と特徴(60坪の場合)
農業用倉庫の値段と特徴:サイズ60坪のケースで説明
農業用倉庫は、農機具や収穫物を保管する重要な施設です。しかし、用途や保管する機材によって、倉庫の仕様や値段は大きく変わります。この記事では、間口10.8m、奥行18mで面積約60坪の農業用倉庫を例に、具体的な値段や仕様を解説します。
倉庫の軒高と用途の違い
農業用倉庫は、軒高(倉庫の内側の天井の高さ)が重要です。軒高が高いほど、大型の農機具や設備を保管できるようになります。
軒高3m:トラクターなどの小型農機具向け
軒高3mの場合、主にトラクターや小型の農機具を保管するのに適しています。3mの高さでも充分な収納スペースを確保できますが、大型コンバインやトラックなどの大きな機材を収納するには不向きです。
軒高4m:大型コンバインやトラック向け
軒高4mになると、トラクターに加え、大型コンバインやトラックも収納可能です。この高さがあると、荷物の積み降ろしもスムーズに行えるようになります。
軒高5m以上:大型乾燥機の設置も可能
軒高5m以上の倉庫では、トラクターやコンバインだけでなく、大型の乾燥機やその他の大きな機械設備も収めることが可能です。特に、乾燥機や他の高い設備を設置する場合は、5m以上の軒高が推奨されます。
60坪の鉄骨倉庫の値段例
次に、一般的な鉄骨倉庫を建てる際の軒高別の価格帯を見てみましょう。農業用倉庫の建設費は、材料費や施工費、設計費などに左右されますが、以下の例を参考にすると、相場が分かりやすくなります。
軒高 | 倉庫の例 | 値段の目安 |
---|---|---|
3m | 一般的な鉄骨倉庫 | 約800万円〜1200万円 |
4m | 一般的な鉄骨倉庫 | 約900万円〜1,500万円 |
5m以上 | 一般的な鉄骨倉庫 | 約1,200万円〜2,000万円 |
鉄骨倉庫は耐久性が高く、長期的な保管に適しているため、多くの農家に選ばれています。
丸二物産の48.6パイプハウス
丸二物産が提供する48.6パイプハウスは、比較的低コストで建設できる農業用倉庫の一つです。パイプハウスとは、パイプをフレームにして建てる簡易な倉庫のことを指します。
- 60坪の倉庫の場合、値段は約350万円〜500万円となっています。
- 鉄骨倉庫よりも安価ですが、耐久性や防犯面での強化が必要な場合があります。
【参考記事】丸二物産の48.6パイプハウスが農業用倉庫に選ばれる理由
農業用倉庫の利用用途
農業用倉庫は、農作業に欠かせない設備です。以下は、主な利用用途の例です。
- 農機具の保管(トラクター、コンバイン、乾燥機など)
- 収穫物の一時保管(野菜や果物、穀物)
- 肥料や農薬の保管
- 作業スペースや倉庫内での軽作業
- 農作物の加工スペース(例: 乾燥や袋詰め作業)
農業用倉庫建設時の申請
農業用倉庫を建てる際には、建築基準法や各自治体の規制に基づいた申請が必要です。一般的には、以下の手続きが求められます。
- 農地転用許可:農業用倉庫を農地に建てる場合、農地を転用するための許可が必要です。
- 建築確認申請:倉庫を建設する際には、建築確認申請を行い、法的な基準を満たしているか確認します。
- 消防法関連の申請:燃えやすい物品を保管する場合、消防法に基づいた設備や申請が必要です。
農業用倉庫を建てる際の注意点
農業用倉庫を建てる際には、以下の点に注意が必要です。
1. 用途に応じた設計
倉庫の用途に応じて、適切な軒高や扉の開口部を設定することが大切です。例えば、乾燥機を設置する場合は、5m以上の軒高を確保し、大型トラックが出入りしやすいような広い扉が必要です。
2. 気候条件を考慮
地域の気候条件に応じて、倉庫の耐久性を高める設計が求められます。特に、雪が多い地域では、雪の重みに耐えられるように強度を強化する必要があります。
3. セキュリティ対策
農機具や収穫物は高価なものが多いため、倉庫の防犯対策も重要です。防犯カメラや頑丈な扉を設置し、外部からの侵入を防ぐ対策を講じることが推奨されます。
4. 維持費の考慮
倉庫を建設した後の維持費も忘れてはいけません。特に、大型の倉庫はメンテナンス費用がかかるため、予算に余裕を持たせることが重要です。
農業用倉庫建設にかかる追加費用
農業用倉庫を建設する際、建物そのものの費用以外に、さまざまな工事費用や関連費用が発生します。ここでは、電気・水道工事費用、内装工事費用、基礎工事費用など、農業用倉庫に関連する主要な費用について詳しく解説します。
電気・水道工事費用
農業用倉庫では、電気や水道の配備が不可欠です。特に、機械の稼働や作業のために、倉庫内に電気設備を整えることは重要です。また、農作業や倉庫内での加工処理に水を使う場合、水道工事も必要になります。
電気工事費用
- 照明の設置:倉庫内の照明を設置するための費用です。60坪規模の倉庫の場合、複数のLEDライトを設置することが一般的です。倉庫の用途によって、照明の明るさや配置を調整します。
費用の目安:20万円〜50万円
- コンセント・電源工事:農業機械や乾燥機、その他の電気機器を使用するために、倉庫内に十分な電源を確保する必要があります。トラクターや乾燥機など、大型機械を使用する場合は、3相200Vなどの高圧電力が必要になる場合もあります。
費用の目安:10万円〜30万円
水道工事費用
倉庫内に水道を引く場合、敷地内の給水設備との接続や、配管工事が必要です。特に、農業用倉庫では農作物の洗浄や水を使った作業が頻繁に行われるため、水道設備の整備は重要です。
- 敷地内配管工事:水道管を引き込むための工事です。倉庫までの距離や地形によって費用が変動します。
費用の目安:20万円〜50万円
- 水道設備設置:倉庫内に蛇口や水槽、排水設備を設置するための費用です。
費用の目安:10万円〜30万円
内装工事費用
農業用倉庫は基本的に外観や構造がメインになりますが、用途によっては内装工事も必要です。特に、作業スペースとして使用する場合や、収穫物の保管環境を整える場合、内装の質が重要です。
床材の設置
倉庫内の床材を整えることで、作業効率が上がります。コンクリート打設や防塵処理を行うことが一般的です。特に、機械を使用する場合や、湿気を避けたい場合には、耐久性や清掃性に優れた床材が求められます。
- 費用の目安:1坪あたり2万円〜5万円
断熱工事
農業用倉庫では、温度管理が必要な場合に断熱材の施工が行われます。収穫物の保管や、機械のメンテナンスが必要な環境では、断熱性能が重要です。特に、外気温に左右されやすい場所では、断熱工事が必須となるでしょう。
- 費用の目安:1坪あたり1万円〜3万円
間仕切りの設置
倉庫内で異なる用途のスペースを設ける場合、間仕切りが必要です。作業場、保管スペース、休憩所などを区切るために設置します。
- 費用の目安:10万円〜30万円
基礎工事費用
農業用倉庫を建てる際の土台となる基礎工事は、建物の安定性と耐久性を左右します。特に農地や不安定な地盤に倉庫を建てる場合、しっかりとした基礎工事が必要です。
コンクリート基礎
鉄骨倉庫の場合、コンクリート基礎を施工することが一般的です。基礎は倉庫全体の耐震性や耐久性に直結するため、しっかりとした工事が求められます。
- 費用の目安:60坪で約150万円〜300万円
地盤改良工事
地盤が弱い場合、地盤改良工事が必要になります。特に、湿気が多い土地や水はけが悪い土地では、地盤を強化して倉庫の安定性を確保します。地盤改良工事には、表層改良や柱状改良など、地盤の状況に応じた工法があります。
- 費用の目安:50万円〜200万円
その他の想定できる費用
防犯設備
農機具や収穫物など、貴重な財産を保管する農業用倉庫には、防犯設備が必要です。防犯カメラやセンサー付きの照明、頑丈な扉の設置などが考えられます。
- 防犯カメラ設置費用:10万円〜50万円
- センサーライトや防犯扉設置費用:5万円〜20万円
換気設備
倉庫内の湿気を防ぐためには、適切な換気設備が重要です。収穫物や機械の保管では、湿気が溜まると腐敗や故障の原因となるため、換気扇や窓を設置して空気の流れを作ります。
- 費用の目安:10万円〜30万円
排水設備
農作業や倉庫内での加工に伴い、排水設備が必要な場合もあります。特に水を多く使う作業を行う倉庫では、適切な排水設備が不可欠です。
- 費用の目安:20万円〜50万円
外構工事
倉庫周りの道路や駐車場、作業スペースの舗装など、外構工事も忘れてはなりません。特に、大型トラックが出入りする場合は、しっかりした舗装が必要です。
- 費用の目安:50万円〜150万円
まとめ
農業用倉庫は、保管するものや用途に応じて設計が大きく異なります。60坪の倉庫でも、軒高によって値段や機能性が変わりますので、トラクターやコンバイン、大型乾燥機など、何を保管するのかを明確にした上で、最適な倉庫を選ぶことが重要です。倉庫の建設には、各種申請や防犯対策も忘れずに行い、効率的で安全な農業活動をサポートできるようにしましょう。