静岡県のビニールハウス建築・補助金ガイド|台風・突風に備える新設・補強・貼り替え
静岡県のビニールハウス建築・補助金ガイド|台風・突風に備える新設・補強・貼り替え
この記事でわかること
新設、既存ハウスの補強、貼り替えでは利用を検討する制度も異なるため、融資や「NOSAI静岡 園芸施設共済」も含めて整理します。
台風・突風に備える静岡県のハウス新設・補強を支える制度
※本記事の補助金・支援制度に関する情報は、2026年8月時点のものです。最新の公募スケジュールや要件は細かく変動するため、必ず関係窓口へご確認ください。
静岡県でハウスを整備する場合、産地単位の新設・更新、新規就農時の施設導入、既存ハウスの風害対策では利用を検討する制度が異なります。補助金だけで工事費を賄えるとは限らないため、融資や「NOSAI静岡 園芸施設共済」まで含めて資金計画を考えておくと安心です。
| 補助金・支援制度名 | 主な対象となる内容 | 静岡県での活用ポイント・相談窓口 |
|---|---|---|
| 産地生産基盤パワーアップ事業 |
【財源:国】 【対象者:産地パワーアップ計画に位置付けられた農業者・農業者団体等】 【用途:新設・再整備・改修】 低コスト耐候性ハウスの整備、パイプハウス等の資材購入、低コスト耐候性ハウスやパイプハウスの再整備・改修などが対象候補です。 ※制度名のリンクは関連ページへ遷移します。個別の詳細はページ内からご確認ください。 |
施設園芸の規模拡大に合わせてハウスを新設したい方や、産地内で既存ハウスを更新・改修したい方が確認したい制度です。 低コスト耐候性ハウスやパイプハウスの整備・再整備が候補になります。 ただし、個人が任意の工事を国へ直接申請する制度ではなく、産地パワーアップ計画への位置付けが必要です。 まず施工地の市町または県農林事務所の相談先一覧で窓口を確認してください。 制度については静岡県 経済産業部農業局 農業戦略課(TEL:054-221-2669)にも問い合わせできます。 ※リンク先の制度ページ内に、施工地ごとの県農林事務所・管轄市町・電話番号が掲載されています。 |
| 経営発展支援事業 |
【財源:国】 【対象者:制度要件を満たす認定新規就農者等】 【用途:新設・施設導入】 就農後の経営発展に必要な農業用機械・施設の導入を支援する制度で、要件を満たすビニールハウス・パイプハウスも対象候補です。 |
新たに農業経営を始める段階で、ビニールハウス・パイプハウスや栽培設備をまとめて整えたい認定新規就農者等が確認したい制度です。 就農計画に沿った施設導入として扱われるため、すでに長く営農している方の一般的な建て替え制度とは性格が異なります。 受付時期や対象要件は市町村ごとに異なるため、設備を発注する前に施工地の市町村へ相談します。 |
| 新規就農者チャレンジ事業 |
【財源:国】 【対象者:制度要件を満たす新規就農者】 【用途:施設導入】 新規就農者が早期に経営発展するための農業用機械・施設導入を支援する制度で、ハウスも対象候補になります。 |
就農後の経営を早い段階で拡大するため、ハウスの増設や生産設備の導入を考えている新規就農者が確認したい制度です。 これから就農するための初期整備だけでなく、就農後の経営発展に向けた投資が対象候補になる点がポイントです。 取組主体は市町村のため、申請時期や利用条件は施工地の市町村へ確認します。 |
| 園芸産地における事業継続強化対策 |
【財源:国・県】 【対象者:園芸産地の取組参加者等】 【用途:耐風補強・災害対策】 園芸産地の事業継続計画等に基づき、既存ハウスの補強など被害防止対策を進める場合に対象候補となります。 |
既存のビニールハウス・パイプハウスを使い続けながら、台風や突風に備えて補強したい方が確認したい制度です。 既存ハウスの被害防止対策が対象候補ですが、個人が任意に筋交いや補強材を追加すれば補助される制度ではありません。 園芸産地の事業継続計画等に基づく取組であることが前提です。 地域で参加できる取組があるか、静岡県 経済産業部農業局 農業戦略課(TEL:054-221-3290)へ確認します。 |
| 農業近代化資金 |
【制度区分:融資】 【対象者:個人・法人可】 【用途:施設・機械整備】 農業経営の近代化に必要な建構築物の造成や農機具等の取得に利用を検討できる制度融資です。 |
ハウスの新設・建て替え・設備更新で、補助金だけでは足りない費用も含めて資金を確保したい場合に確認したい制度融資です。 ハウスなどの建構築物や農業用機械の整備が資金使途の候補になります。 静岡県内では地域別JAの相談先をはじめとする取扱融資機関や静岡県の農林事務所へ相談できます。 県側の制度所管は静岡県 経済産業部農業局 農業ビジネス課(TEL:054-221-2629)です。 |
| 日本政策金融公庫 農林水産事業の事業資金 |
【制度区分:融資】 【対象者:個人・法人可】 【用途:農業・施設整備】 農業施設整備、新規就農、経営改善などについて、計画内容に適した資金を個別に確認できます。 |
ハウス新設や規模拡大など、設備投資額が大きくなる場合に相談したい資金です。 農業近代化資金だけに絞らず、経営内容や投資目的に合う日本政策金融公庫の資金があるかを個別に確認できます。 静岡県内では日本政策金融公庫 静岡支店 農林水産事業(TEL:054-205-6070)へ相談できます。 |
| NOSAI静岡 園芸施設共済 |
【制度区分:共済】 【対象者:加入要件を満たす農業者】 【用途:災害リスク対策】 ガラス室やプラスチックハウスの本体・被覆材、暖房機・換気扇等の附帯施設などを対象として、自然災害等による損害に備える制度です。 |
補助金を使って建てるための制度ではなく、完成後のハウスが台風・突風などで被害を受けた場合に備えたい方が確認する共済です。 新設や建て替えでは、建築費をどう確保するかだけでなく、完成後の施設をどう守るかまで考えておくことが重要です。 加入できる施設や補償内容、地域の担当窓口はNOSAI静岡(TEL:054-251-3511)へ確認できます。 |
市町村独自の支援制度も確認
県内全域を対象とする制度とは別に、市町村が独自にハウス整備や農業設備導入を支援している場合があります。施工地が決まっている場合は、国・県の制度だけでなく、市町村の農政担当窓口もあわせて確認しておくと、利用できる支援を見落としにくくなります。
市町村制度の一例:浜松市
「浜松市 地域農業パワーアップ支援事業(追加募集)」では、浜松市内の制度要件を満たす農業者等を対象に、農業用ハウスや付帯施設、防風ネット等の施設整備、農業用機械の導入が対象候補となっています。
2026年8月24日から9月14日17時まで追加募集されており、浜松市内でハウス新設や防風対策を予定している方は確認しておきたい制度です。
申請・相談先は浜松市 産業部 農業振興課です。
※浜松市内限定の制度です。リンク先ページ下部に問い合わせ先が掲載されています。
農業融資を相談できる地域別JA
「農業近代化資金」などの農業融資は、施工地を管轄するJAでも相談できます。静岡県内は地域ごとにJAが分かれているため、下表から施工予定地を管轄するJAを確認できます。掛川市・御前崎市・浜松市などは、市内でも地区によって相談先が異なります。
下表のJA名は、すべてJAバンク静岡「店舗ネットワーク」の一覧ページへリンクしています。個別JAの公式サイトは接続状況が不安定な場合があるため、一覧ページから該当するJA・店舗をご確認ください。
| 主な地域 | 地域JA |
|---|---|
| 伊豆・東部・富士地域(富士市中之郷・南松野を除く) | JAふじ伊豆 |
| 静岡市清水区、富士市中之郷・南松野 | JAしみず |
| 静岡市葵区・駿河区 | JA静岡市 |
| 焼津市・藤枝市・島田市・川根本町 | JA大井川 |
| 牧之原市・吉田町・御前崎市御前崎地区 | JAハイナン |
| 掛川市(大須賀・大東地区を除く) | JA掛川市 |
| 掛川市大須賀・大東地区、菊川市、御前崎市浜岡地区 | JA遠州夢咲 |
| 磐田市・袋井市・森町・浜松市天竜区 | JA遠州中央 |
| 浜松市中央区・浜名区(三ヶ日町を除く)、湖西市 | JAとぴあ浜松 |
| 浜松市浜名区三ヶ日町 | JAみっかび |
※掛川市・御前崎市・浜松市などは地区によって管轄JAが異なります。具体的な取扱窓口や融資条件は、JAバンク静岡の店舗ネットワークから該当JA・店舗をご確認ください。
ハウスの新設、既存施設の補強、設備更新では、使える制度や相談先が異なります。
工事内容と総額を先に固めておくと、補助金で賄う部分、融資を検討する部分、完成後に共済で備える部分を分けて考えやすくなります。
※本記事は補助金・融資制度の利用や採択を保証するものではありません。実際の対象可否や申請手続きについては、各制度の実施主体または相談窓口へご確認ください。
耐風補強から新設まで工事内容で選ぶ静岡県の支援制度
新設・建て替え
ビニールハウス・パイプハウスを新しく建てる場合は、建築費だけを見て制度を選ぶのではなく、産地の生産力向上を目的とした整備なのか、新規就農時の施設導入なのかを整理するところから始めます。 産地単位の整備では産地計画への位置付け、新規就農者向け制度では就農状況や認定要件など、見るポイントが制度ごとに異なります。施工予定地の市町や関係窓口へ相談し、候補を絞ってから見積もりを具体化すると進めやすくなります。
被覆材・換気設備を含む施設更新
被覆材や換気設備を更新するときは、資材だけを交換するのか、骨組みや付帯設備まで含めてハウス全体を再整備するのかで考え方が変わります。施設全体を再整備・改修する計画であれば、内容に応じて補助制度や農業融資の対象可否を確認します。 夏季高温への対応として換気設備や被覆材を見直す場合も、設備単体で補助対象になると考えず、ハウス全体でどこまで更新するのかを固めたうえで制度窓口へ相談します。
台風・突風に備える耐風補強
既存ハウスを今後も使い続けるなら、フィルム交換だけでなく、骨組みの状態や補強の必要性まで見ておきたいところです。補強工事では、園芸産地の事業継続計画に基づく取組として支援を利用できるかがポイントになります。 「園芸産地における事業継続強化対策」には、既存ハウスの補強等の被害防止対策が位置付けられています。
一方、「NOSAI静岡 園芸施設共済」は工事費を助成する制度ではなく、完成後の施設が自然災害等で被害を受けた場合に備える共済です。
フィルム貼り替え
被覆フィルムだけを交換する場合と、老朽化したハウスを再整備する場合は分けて考えます。通常の貼り替えだけで補助対象になるとは限りませんが、骨組みや付帯設備まで更新するのであれば、工事全体について対象可否を確認する余地があります。 貼り替えを予定している場合は、被覆材だけの交換で済ませるのか、骨組みや付帯設備も同時に更新するのかを施工業者と詰めたうえで、制度窓口へ工事内容を伝えます。
突風被害を踏まえて考える静岡県のハウス強風対策
静岡県でハウスを新設・更新するときは、台風や突風への備えを施工計画に組み込んでおきたいところです。2025年9月の台風15号に伴う突風では、NOSAI静岡が園芸施設共済で73戸145棟の被害を確認しています。牧之原市から吉田町にかけては大規模な竜巻が発生し、焼津市や掛川市などでも突風被害が確認されました。
既存ハウスを使い続ける場合は、フィルムを新しくするだけでなく、骨組みの状態や補強の必要性まで見ておくことが大切です。
地域で「園芸産地における事業継続強化対策」へ参加できるかを確認し、新設・更新では強風への備えと夏季の栽培環境を踏まえて仕様を固めます。
完成後は「NOSAI静岡 園芸施設共済」も確認し、ハウスが被災した場合の修復や営農継続まで見据えて備えておきたいところです。
静岡県でハウス工事を始める前に確認したい制度Q&A
既存ハウスの耐風補強だけでも補助対象になりますか?
対象になる可能性があります。「園芸産地における事業継続強化対策」には、既存ハウスの補強等の被害防止対策が位置付けられています。
ただし、農業者が任意に行う補修工事へ一律に使える制度ではありません。地域で対象となる取組があるか、静岡県 経済産業部農業局 農業戦略課へ確認します。
フィルムの貼り替えだけでも補助金を使えますか?
通常の被覆フィルム交換だけで補助対象になるとは限りません。「産地生産基盤パワーアップ事業」ではハウスの再整備・改修が対象候補となるため、骨組みや付帯設備まで更新する場合は、工事内容をまとめて施工地の市町または県農林事務所の相談先一覧へ確認します。
農機具格納庫などの農業用施設にも融資を利用できますか?
「農業近代化資金」は、農業経営の近代化に必要な建構築物の造成や農機具等の取得に利用を検討できる制度融資です。どのような建物が資金使途に該当するかは、用途や事業計画によって判断されます。
静岡県 経済産業部農業局 農業ビジネス課や施工地を管轄するJA、取扱融資機関へ、施設の用途と工事内容を伝えて確認してください。
補助金と融資を組み合わせて資金計画を立てられますか?
補助制度だけで工事費全体を賄えない場合は、「農業近代化資金」や「日本政策金融公庫 農林水産事業の事業資金」も資金調達の候補になります。農業近代化資金などをJAへ相談する場合は、地域別JAの相談先から施工地を管轄するJAを確認できます。
ただし、補助対象外となった費用がそのまま融資対象になるとは限らず、補助制度と融資では審査や要件も異なります。必要な工事と費用を整理したうえで、それぞれの窓口へ事前に確認してください。
強風への備えと資金計画を両立する静岡県のハウス整備
静岡県でビニールハウス・パイプハウスを整備するなら、建築費だけでなく、骨組みの状態、台風・突風への備え、夏季の栽培環境まで含めて仕様を決めることが大切です。工事内容が固まれば、どこを補助制度で賄い、どこを融資で補い、完成後の災害リスクをどう「NOSAI静岡 園芸施設共済」で備えるかも整理しやすくなります。
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