北海道におけるビニールハウスの雪対策法について
北海道は全国の観光地の中でもトップクラスの「行ってみたい旅行先」として知られていますが、北海道人なら多くの人が「雪」に悩まされていることでしょう。特に、農家の方々にとっては、雪の季節になると、ビニールハウスなど雪による倒壊の心配がつきものではないでしょうか。
そこで、今回は北海道におけるビニールハウスにおける雪対策法についてご紹介していきます。
ビニールハウスが雪で倒壊する理由
まずは、ビニールハウスがなぜ雪で倒壊するのか、その理由について確認していきましょう。
雪でビニールハウスが倒壊する理由は、雪の重みによって、上から・横からビニールハウスが圧迫され、支柱となるパイプなどが折れたり歪んだりすることによって倒壊します。特に、真上からの圧迫はパイプを歪めるだけではなく、その重みによってそのまま沈降圧が掛かり倒れてしまうというものです。
また、雪の重みだけではなく、風によって雪がビニールハウスの上で偏って積り、バランスを崩したビニールハウスが倒れてしまうというメカニズムもあります。
真上からの圧迫
一番の倒壊リスクは「真上からの圧迫」です。ハウスの上の雪を下ろさずに放置していると、そのまま何層にも雪が重なり、ビニールハウスが雪によって真上から圧迫されてしまいます。真上からの沈降圧によってビニールハウスの強度が耐え切れず、屋根が陥没するという形になります。
たまった雪によって側面を圧迫
真上からの沈降圧だけではなく、雪がビニールハウスの上から落ちて側面に溜まっていくと、側面に溜まった雪の行き場がなくなり、そのまま側面からビニールハウスを圧迫します。特に、ビニールハウスをいくつか並べて利用されている方は、このような側面からの圧迫によってビニールハウスを変形させてしまうことがあるので注意しましょう。
降雪の偏りによるバランス崩れ
農業を営んでいる農家などは特に、ハウスの周囲に風を遮るものが少なく強風にさらされることが多いでしょう。そのような場合、雪が風によって偏って積もってしまうケースがあったり、吹き溜まりなどでビニールハウスに均等に雪が積もらなかったりする場合があります。
この場合、圧力が一部に多くかかるため、バランスを崩して倒壊してしまうというケースもあります。
ビニールハウスが雪で倒壊すると起こるリスク
ビニールハウスが雪で倒壊してしまうと、ビニールハウスを修理しなければならなくなり、施工の費用が掛かります。また、全壊してしまうと既存のビニールハウスを直すのではなく、新しくビニールハウスを新設しなければならないリスクもあります。また、その場合は、現在のビニールハウスを撤去するといった費用も発生する可能性があります。
費用面だけではなく、ビニールハウスが倒壊することによって、植物や野菜、農機具、商品や製品など、保管していた大切なものがダメになってしまうケースもありますので、ビニールハウスを倒壊させないようにすることはとても重要です。
北海道でビニールハウスを雪から守るには
最後に、北海道でビニールハウスを雪から守る方法について確認していきましょう。
降雪前の対策
降雪前に行う対策としては、ビニールハウスの強化があります。
中柱を設置して支柱を補強し、積雪による重みに耐えられるようなビニールハウスにするという手段があります。一般的に「スノーポール」と呼ばれている支柱を作る対策となります。
降雪中の対策
ビニールハウスの強度を強くしたからと言って、雪の重さにすべて耐えられるというわけではありません。雪の重さに耐えられるのにも限度があるため、重要なのは「雪をできるだけ積もらせない」ということです。
天気予報で大雪が続くと分かったときなどは、定期的に雪をハウスから下ろし、ハウスの側面にも雪を積もらせないようにしましょう。
降雪後の対策
降雪後も、雪を下ろしたり側面にある雪を排雪したりするなどの対策が必要です。ビニールハウスは傷つきやすく、一般的な雪かき用のスコップではビニールハウスに穴をあけてしまう可能性があるため、ビニールハウス用の雪かきスコップを利用することがおすすめです。
ビニールハウス用の雪かきスコップには、ビニールハウスを傷つけないようにする工夫がされているため、先端でビニールハウスを傷つけたり穴をあけてしまったりする心配が少ないです。
まとめ
ここまで、北海道においての、ビニールハウスの雪対策をご紹介してきました。雪によってビニールハウスが倒壊してしまうと、さまざまなリスクがあるため、降雪前、降雪中、降雪後にできる対策をしましょう。
北海道においては、基本的には雪の倒壊リスクを軽減するために、ビニールハウスの強度を高めることがおすすめです。豪雪地域などでビニールハウスを建てる場合には、雪に慣れた北海道の業者による施工がおすすめです。