パイプハウスを倉庫に活用!DIYによる自作もオススメ
近年ではパイプハウスによる倉庫の需要が増えてきており、農業で使われるパイプハウス、ビニールハウスの資材である足場用の単管パイプを使ったパイプ倉庫、パイプ車庫が増えてきています。鉄骨などの大型倉庫よりも小型で安価にDIYできるような倉庫が欲しいという農家も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。原理はパイプハウスやビニールハウスの建て方と変わらないので施工や加工、修理も慣れてくると難しくなく、DIYで十分コストパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。ただしDIYを行うにあたって注意するべき点もあるため、そちらも合わせて紹介していきます。
倉庫で使われるパイプハウスの特徴
パイプハウスを用いることで、既製品の倉庫では実現が難しかったりオーダーメイドでは高額になったりといった、利用者の要望になかなかマッチしないという問題について解決できるでしょう。土地に合わせて有効活用できるだけではなく、パイプハウスの倉庫は施工期間が短くDIYも可能な点が大きなメリットに挙げられます。人件費や工賃も不要になるため、費用面においても大きく抑えられるでしょう。雪や風への対策という面では、一般的なパイプハウスで使われるパイプの径よりも太く厚い径のパイプを採用することで、雪や風に負けない倉庫を実現できます。
パイプ倉庫の種類
パイプ倉庫には軽自動車を格納できる車庫タイプのものから、農具、農業用器具、トラクターなどが保管できる大型タイプ、ちょっとした作物や農機具だけを保管できる小型のパイプ倉庫などさまざまサイズ・タイプが展開されており、簡易的なものであれば自分で組み立て可能なDIYキットというかたちでホームセンターなどで販売されています。
パイプ倉庫の選び方
パイプ倉庫の選び方としては、径の太いパイプを利用するなど、風・雪といった天候の変化に負けない強い資材のものを選ぶようにしましょう。
その点、単管パイプを使用したパイプ倉庫では、そもそもパイプの径が太く耐久性が強いことに加え、入手しやすいこともメリットに挙げられます。また、パイプを部材に差し込むだけでほぼ完了と、基本的に加工が不要になるため、DIYの難度も比較的低く、慣れている方であれば簡単に行えるでしょう。
大がかりなパイプハウス倉庫DIYは自治体・建築士に相談を
大がかりなパイプハウスの倉庫建築をDIYで行う際、場合によっては建築基準法違反になる可能性が高くなりますので、自治体や建築士にきちんと事前相談することをオススメします。DIYに関連して、「建築物」とみなされる(つまり、建築基準法に則らなければいけなくなる)可能性があるポイントは以下の通りです。
○土地に定着しており、以下に該当するもの
- 屋根と柱がある
- 屋根と壁がある
- 建築物についた門や堀
大がかりな施工による屋根や壁がある倉庫はこちらに該当する可能性が高くなってきます。「小型の倉庫や物置であれば内部に人が立ち入らず、荷物の出し入れが目的となるため建築物に当たらない」というのが国土交通省の判断(※1)となっていますが、ご自身で判断せず、自治体や建築士に相談しておくほうが無難でしょう。
※1 参考:国土交通省「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」
https://www.mlit.go.jp/common/001093081.pdf
パイプハウス倉庫のDIYは一人でできる?
パイプハウス倉庫のDIYは一人で行うことができるのでしょうか?資材を1から揃えてDIYを行う方法と、組み立て専用キットを使う方法を比較してみていきましょう。実際の商品などでサイズ感などを紹介していきます。
一人で資材を揃えて自作をする方法
こちらはパイプハウスのキットなどを使わず、パイプやフィルム、金具など資材を部品単位で自分で揃えて倉庫を建てる方法です。この方法ではパイプの強度やハウスの補強といった面で自由度の高い倉庫を建てることができることが大きなメリットになります。ただし少しでも部品が合わないなど間違ったやり方のまま作業を進めると取り返しのつかない事態になるので、DIY初心者にはオススメできないでしょう。また、資材を揃えて1から完成まで進める場合、建築士や自治体に相談をしてから完成を目指してください。
組み立て専用キットを使う方法
インターネット通販やホームセンターなどでパイプハウス倉庫の資材がセットになった専用キットなどが販売されており、そちらを使うことでDIYが可能となりますが、安全性などの面から、2人以上での作業を推奨している商品が多いです。今回は南榮工業のパイプハウスキットが評判が高く、紹介させていただきます。南榮工業は倉庫や車庫に使われるハウスだけではなく農業用ハウス、農業用品、スポーツやキャンプで利用される資材などといった製品に力を入れており、中でもパイプハウスは人気の製品のひとつです。DIY可能でなおかつ建築許可不要の製品を多く販売しており、例えばこちらから販売されている「GR-59」という型番のパイプ倉庫はDIY可能で、下記のような寸法となっており農業用の車両であればすんなり入る大きさとなっています。
- 間口 : 3.60m
- 入口 : 2.80m
- 奥行 : 5.30m
- 高さ : 2.50m
- 入口高さ : 2.00m
まとめ
この記事ではパイプハウスを倉庫に活用する方法について紹介しました。パイプハウスを活用して倉庫を建てる需要が高まり組み立て専用キットなども数多く販売されています。組み立て式といえど、雪や風に負けないパイプの強度の高い倉庫も多く、DIYの難度も低いことから人気となっていますが、組み立てや補強に関してDIYが困難な場合、プロに依頼するようにしておきましょう。
また、部品を1から揃えて完成を目指す場合には建築士や自治体に相談をしてから作業に入るようにしましょう。