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ビニールハウスの暑さ対策は「内張り遮光」が簡単!ビニスライダーで効率アップ

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ビニールハウスの暑さ対策に「内張遮光」を活用しよう

ビニールハウス内が暑くなってしまう原因の一つに、太陽からの直射日光と熱(輻射熱)があります。作物の生育や働く人の快適さを守るためには、ハウス内に“内張遮光”を設置して、ハウス内部から日射や熱を抑えることが有効で、非常に簡単です。
本記事では、ハウス内張遮光カーテン・ネットの「取付方法」や「種類」、そして簡単に開閉できる方式の一例として、ビニスライダー(メーカー:佐藤産業株式会社)を紹介します。

内張遮光の「開閉方式」について

内張遮光カーテン・ネットを設置する際、「開閉方式」をどうするかは重要です。以下に代表的な方式を簡単に説明します。

スライド式

天井や側面にレールを取り付け、その上を金具(スライダー)が滑るように移動させてネット・カーテンを展開・収束させる方式。

  • 特徴:手で左右(または前後)へ動かすことができ、操作が比較的楽。
  • 利点:設置が比較的簡単、既設ハウスへの後付けにも向いている。
  • 注意点:レールが水平・滑走部分がスムーズでないと動きが悪くなる。

例として、ビニスライダーがこの方式に対応しています。

巻き上げ(巻取り)式

カーテン・ネットをロール状に巻き上げて収納し、必要時に降ろして展開する方式。

  • 特徴:ネットを巻き上げておけば、広い範囲を簡潔に展開・収納できる。
  • 利点:作業スペースを取らず、上部にまとめておける。
  • 注意点:巻取り機構(スプリング・モーターなど)が必要な場合があり、費用・メンテナンスが増えることも。

ラック式(昇降ラック式)

カーテン・ネットをラック(棚状・支架)に掛け、昇降させる方式。

  • 特徴:ネットを垂直あるいは斜め支架に掛けて、手動または機械で昇降させる。
  • 利点:観察・作業のしやすさ、特定場所のみ遮光したい時に有効。
  • 注意点:設置構造がやや複雑になることがある。

内張り遮光が簡単にできるビニスライダー(佐藤産業)の特徴

高い汎用性。ハウスを選ばない

元々、さくらんぼの雨よけハウス用に開発されたビニスライダーは、背の高い作物にも内張りを付けたいという、生産者の要望に応える形で今のスライドカーテン方式になりました。しかし、開発を進めていく中で壁に突き当たります。それは補強が施されたハウスへの設置です。幾度の改良を重ねた結果、殆どのハウスに設置できる「高い汎用性」を獲得しました。今日では、通常の使い方の他にも西日対策としてサイドに展張したり、露地栽培の霜よけに設置するなど様々な場面で活躍が期待できます。

  • ビニスライダー、ハウス内部

ロープで開閉。使いやすい

ビニスライダーは、奥行き方向に通したレールの中を、遮光・遮熱資材を取り付けた専用滑車がスライドして開閉するシステムです。開閉はロープを使って手動で行いますので面倒な操作は必要ありません。ハウス部品メーカーが考えたカーテンシステムなので、パイプハウス用の部品が多く使われているのがポイントです。これには・開発コストを下げて価格を抑える・使い慣れた部品によるユーザビリティ(=使いやすさ)の獲得という2つの狙いがあります。

  • ロープを掴む手
  • ビニスライダー/ハウス天井

ビニスライダーの特徴

  • ✓ 遮光率10%~70%の資材が使用可能です
  • ✓ シンプルな構造なのでメンテナンスが楽です
  • ✓ 隙間が多いので保温目的には使用できません
  • ✓ 遮光資材の収束場所には資材の影ができます
  • ✓ HPにて施工マニュアルを公開しております

内張遮光カーテン・ネットの種類

カーテン型とネット型の違い

内張遮光資材には大きく分けて「カーテン式」と「ネット式」があります。

  • 遮光カーテン:織物やフィルム状の遮光資材をカーテン形態で吊り下げ・取り付けし、開閉可能にしたもの。
  • 遮光ネット:網目構造の遮光資材。通気性があり、網目を通して風が通るので「熱こもり」を軽減しやすい傾向があります。

どちらを選ぶかは作物の種類・ハウス構造・目的(遮光のみ or 遮熱も含む)・予算によって変わってきます。

遮光ネット・カーテンの「色」「織り方/編み方」「遮光率」

以下、選び方のポイントをご紹介します。

色の違いとその効果

色によって「遮光性(光を遮る力)」と「遮熱性(熱の移動を抑える力)」のバランスが変わります。

特長 注意点
黒色 遮光性が最も高く、光を多く遮る。 熱を吸収しやすく、ハウス内で熱こもりを起こす場合がある。
銀(シルバー) 遮光・遮熱のバランスが良く、光を反射しつつ適度に吸収。 黒に比べて遮光率はやや劣る場合あり。価格が高め。
白色 光を反射してハウス内を明るく保てる。遮熱性も高い。 遮光性は黒より低いため、強日射時だけでなく「明るさを確保したい」場面向き。
その他(青・グリーン等) 葉野菜向けなど特定用途で使われる例あり。 汎用的ではないため、用途をよく確認すること。

織り方・編み方の違い

遮光ネット・カーテンを選ぶうえで「織り方/編み方」も重要です。

  • 平織(ひらおり):経糸(たていと)・緯糸(よこいと)がシンプルに交差。丈夫で遮光性が均一。
  • ラッセル編(ラッセルあみ):編み目構造で、切断時にほつれにくい。開閉式カーテンなどに向いている。
  • カラミ織(からみおり):平織とラッセル編の中間的な構造をもつ。ほつれにくく耐久性が高い。

遮光率の目安

遮光率(例:50%、75%など)は「どれだけ光・日射を遮れるか」の指標です。ただし、遮光率が高すぎると作物が光を十分に受けられず生育に影響が出ることもあります。
例えば:

  • 葉物野菜など日差し・熱の影響を受けやすい作物 → 遮光率40~60%程度がよく使われます。
  • 強遮光が必要なきのこ栽培や高温障害が深刻な場面 → 遮光率70%以上のものもあります。

具体的な製品例・ラインナップ

例えば、農業資材メーカーのカタログでは、以下のような製品が紹介されています(内張・遮光・遮熱ジャンル)

  • 軽くて丈夫な高遮光ネット(黒タイプ)
  • 既設ハウスに設置できる遮熱ネット(白・銀タイプ)
  • 内張り・外張り対応のオールラウンド遮光ネット

また、販売サイトでも「遮光率約75%」などの仕様が明記され、幅広いサイズ・色・組織が選べるようになっています。

ビニールハウスの暑さ対策に使える補助金・助成金&最新事情

ビニールハウス内の高温・日射・熱管理は、作物の品質維持・収量確保において大きなテーマです。特に「内張遮光」や「遮熱ネット」などを導入する際には、設備投資がかかる分、補助金・助成金を活用できると初期費用の負担を大きく軽減できます。以下、暑さ対策に関連した補助金・助成金情報、申請のポイントや最新情報をまとめました。ビニールハウスの暑さ対策の参考にしてください。

補助金・助成金の主な制度

国・農林水産省レベルの制度

  • 強い農業・担い手づくり総合支援交付金(農林水産省管轄)
    農業経営体や施設整備を支援する制度で、ハウス設備・施設園芸の環境制御装置などが対象となっています。
    例)ハウス整備費、施設園芸用環境制御装置など。

  • 農地利用効率化等支援交付金(令和7年度要綱)
    ハウスの整備も対象として明記されています。例えば「ビニールハウスの整備」が対象。

  • 高温対策栽培体系への転換支援事業

    高温障害への対応として、遮光資材・細霧冷房・新品種導入などを支援。

地方自治体・地域レベルの補助金

  • 例:令和7・8年度高温対策支援事業補助金(千葉県山武市)

    遮光ネット導入費用の1/3以内での補助。各年度上限30万円。

  • 例:施設園芸参入応援事業費補助金(五所川原市)

    農業用ハウス・付帯設備の導入を支援。認定農業者・新規就農者が対象。

  • 都道府県例:農業経営基盤強化(高温対策等)事業補助金(京都府)

    遮光・遮熱資材・細霧冷房などを対象。補助率1/2以内、補助上限100万円程度。

補助金活用のポイント

  • 補助対象経費=「施設・設備導入」「改良」「環境制御装置」などが多い。汎用的すぎる設備(農業以外にも使える倉庫・汎用トラック等)は対象外のケースあり。

  • 補助率・上限額・要件(認定農業者、新規就農、地域計画への位置付け)を必ず確認。例:補助率1/2以内など。

  • 申請~実施~報告まで一連のプロセスがあり、申請前に設備仕様・見積もり・裏付け資料を用意することが重要。

  • 暑さ対策(遮光ネット・細霧冷房など)といった「環境制御」を目的とした設備の導入は、特に今後優遇される傾向あり。

暑さ対策に直結する補助金・制度の事例

遮光・遮熱資材導入

  • 遮光ネット・遮熱ネット資材を導入する場合、地域の高温対策支援制度が使えることがあります。例えば千葉県山武市では遮光ネット導入費の1/3以内支援。

  • また、「高温対策栽培体系への転換支援」によって「遮光資材・細霧冷房」等の導入が補助対象になっています。

ハウス整備(暑さ対策含む)

  • 「農地利用効率化等支援交付金」には「ビニールハウスの整備」が明記されています。暑さ対策設備(遮光内張り・換気装置など)も併せて検討可能です。

  • 「施設整備への支援策(農林水産省)」には「低コスト耐候性ハウス・環境制御装置等の導入支援」としてハウス・設備が対象です。

その他環境技術導入

  • 再生可能エネルギー・地中熱・地下水冷房など、ハウスの冷房・遮熱化技術を導入する際の補助金も紹介されています。例えば「地下水を活用した農業用ハウスの冷房と補助金制度」。